慶應義塾女子高等学校

入試の傾向と対策

 

AlmaMaterは早慶合格率100%

 (うち1名は早稲田佐賀のみ合格)

 

そんなAlmaMaterが今回、女子最難関の慶應女子高校の傾向と対策を科目ごとにお伝えします。

 

慶應女子 英語

形式:リスニング1題15点、長文読解3題75点、英作文1題10点

 

女子最難関と言われるにふさわしい難易度・文章量が出題される。まず、文章の難易度として、高校の文法事項も注釈なしに当たり前に出題されるので、遅くとも中学2年生終了までに中学校の内容は完璧にし、残りの期間で高校の範囲を勉強する時間をしっかり確保することが必要である。

次に文章の量について、いかに早く・正確に読むかが重要になる。和訳しながら読んでいるととても時間が足りないので、英語を英語のまま考え答える力が必ず必要になる。この力を身につけることができない場合、確実に英語が合格の足を引っ張ることになる。

この力を身につけるには、一見矛盾しているようにみえるが、日々の勉強から必ず文章を和訳することが必要となる。なぜなら、そもそも和訳さえできない学力の生徒が、英語を英語で理解することは不可能だからである。和訳の練習を積んでいけば、難しい英文がすぐに理解できるようになる=英語を英語で理解できるということにつながるのである。

しかし、慶應女子の英文のレベルに対応するには市販の教材では限界がある。しかし、だからといって高校の問題集をやるのは効率が悪いので、塾の先生に慶應女子レベルの副読本や、文章が集まったプリントを用意してもらおう。または、市販されていない昔の過去問などで慶應女子独特のテーマに慣れるとよい。

和訳・英訳は毎年必ず出題されるので、当たり前ではあるが、英単語帳や辞書に出てきた構文や慣用表現は必ずその例文ごと覚えるということを徹底すること。

これ以上の慶應女子の対策は合否に大きく影響するため、外部の方への公表は割愛する。

 

慶應女子 数学

中学数学の全分野から高難易度の問題が出題される。数学の基礎は当然のこと、応用力・思考力が高いレベルで求められる。一方で、同じ日程の早稲田実業に比べると、計算量は多くない。しかし、小問集合も含めて工夫して計算することが求められている。

大問は最後の問題になるにつれて難しくなるが、ほとんどが前の設問が次の設問のヒントになっているため、日々の勉強から前の問題をヒントとして使うように意識しよう。また、普段の問題集では見かけない問題も多く出題される。そのような問題は一見ひらめきが求められているように見えるが、そんなことは全くない。図形の定義・定理など数学の本質を意識し、「なぜその発想になるのか、なぜそこに補助線を引くのか」などというところまで普段の勉強から意識していれば解ける問題である。「なぜその発想になるのか」という理由が分からなければ、必ず塾の先生に質問しよう。

さらに、慶應女子の数学は図が正確でないことも多いため、必ず自分で図を描いて考えること。また、ほぼ全ての問題で白紙に自分の考えを伝わるように記述することが求められるため、難関高校を目指している生徒は既に当たり前にやっているとは思うが、普段の問題集から白紙のノートに答案を書く練習をし、塾の先生に添削してもらおう。

 

慶應女子 国語

形式:大問3つ構成

(2020年度は大問2つ構成だが、2019年度から過去9年間は大問3つ構成)

制限時間60

 

平成22年度以前は大問5つ構成で、漢字の読み書きが大問として独立して出題されていたが、近年10年間ほどは漢字に関する出題は読解の大問内でされている。だが、漢字の出題で毎年変わらず10点前後配点されているので、受験期直前の大切な時間を漢字対策に奪われないよう低学年のうちから漢字に取り組むべきだろう。

 肝心の読解に関しては、記述問題がメインである。論説文と説明文の読解、そして古文の出題はほぼ毎年度行われている。論説文に関しては、「~とはどういうことですか」という言い換えの問題が多数出題されている。どういうこと、という言い換え問題は、本文の理解が十分にできた上で普段から減点されない解答の練習が必須となる。自分が普段解いているワーク、また模試の復習などでもいいが、模範解答を読んで「ふーん」で終わらせるのではなく、解答とのすり合わせ、そしてなぜこの解答になるのかを考える勉強をし、逐一塾の先生に添削をしてもらおう。

 読解の大問の中には、文学史の細かい知識を求められる出題が続いている。平成30年度には、『大鏡』の成立と最も近い年代に成立した作品を『今昔物語集』『徒然草』『平家物語』『方丈記』の中から選択する問題。平成29年度には、2016年は『吾輩は猫である』の作者の没後何年かを問われている。付け焼刃の知識ではどうしようもないことは皆さんにも伝わるだろう。こちらも漢字同様、低学年のうちから塾の先生に覚えるべき文学史を教えてもらい積み重ねよう。

 

 最後に。過去14年間必ず出題されているのが「文の品詞分解」だ。文単位の品詞分解、これは動詞の活用などを付け焼刃で覚えるだけでは得点できず、助詞助動詞などの判別も得点に欠かせない。そして、一文すべての品詞分解が完答できて初めて得点できる。

 慶應女子の入試問題において全体として言えることは、なるべく早い時期から高校受験への勉強を始めることが必須。そして高校受験対策として適切な教材を身につくやり方で解くことだ。これを読んでいる小学生の方、小学生の親御さんは、高校受験への対策を小学生からしてくれる塾を探せば、高校受験への良いスタートが切れ、周りの同級生とは違うレベルの中学生生活になるだろう。